私たちのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
私たちはアジア教育友好協会(AEFA)です。AEFAは、2004年、当時、商社マンを退職した谷川洋さんたちが設立した小さなNPOです。アジアの山岳少数民族の子どもたちの教育支援と日本をつなぐ取組みを進めてきました。ご支援いただく皆様のおかげで、これまで、建設した学校の累計は333校です。
東南アジアの各国は、それぞれに国としての経済発展は進みつつありますが、山岳部の少数民族地域においては、教育環境がまだまだ整っていません。学校を建設するだけではなく、地域住民の参加と協力を得て、建物だけでない真の「学びの場」を整えていくことが必要です。学校建設は「地域の自立への第一歩」であり、建てて終わりではなく、継続的に見守る教育支援プロジェクトを丁寧に展開していきながら、地域の自立を応援しています。
おかげさまで、AEFAが設立してから19年を迎えます。19年の時間の積み重ねを通じて、多くの変化に立ち会うことができました。小さな学校で学んでいた子どもたちの中から、教育環境が整ったことをきっかけに学びを深め、教員養成の大学に進学し、地元に戻って、母校の教職につく人も出てきています。私たちが交流を深めるアジアの国々は多民族国家です。少数民族にはそれぞれの国語とは異なる固有の言語(母語)があります。そうした地域では、民族固有の母語を話し、国語もしっかり教えることができる、熱意をもつ優秀な先生はとても貴重な存在です。真の「学びの場」を整えていくには時間がかかります。
近年は、学校建設に加えて、こうした子どもたちを長年にわたって支える奨学金プログラム、さらには、言語の壁、栄養の不足、学びのチャンスの不足といった少数民族の子どもたちの固有の課題に合わせた数々の教育プログラムの開発と運営も進め、各地で取り組んでいます。
学校建設や教育プログラムは子どもたちに変化をもたらします。
「校庭が広くなって、いろんな場所ができたので、いっしょに遊ぶ場ができて、友達ができた。毎日、学校に来るのが楽しい。」
「窓のない暗い教室(古い米倉庫を転用)から明るい教室に移ることができてうれしい。勉強が楽しい。」
「天井についているファンのおかげで風が回って快適で大好き。暑い日も気持ちよい。」
「トイレがきれいでたくさん増えてうれしい。新しくなってから、手を洗うようになった。」
「花壇に植えた花のお世話が楽しい。そよ風にのって花の匂いが教室まで届くとウキウキした気持ちになる。」
「きれいな図書館で本を読むのは楽しい。本をきっかけに友達と話すのも楽しい。」
「教室にある小さな本棚が大好き。本を読んで、未来の私を想像してみる。」
どの声も、先日、現地を訪れた時に子どもたちが話してくれたことです。小さな変化かもしれませんが、未来の大きな希望に着実につながります。
経済発展は進んでいるから、もう、アジアの国々に学校を建てる時代じゃないんじゃないかと言われることもあります。しかし、まだまだ学ぶ機会が十分ではない子どもたちが同じアジアの空の下に多くいるのは事実です。なによりこれまでの積み重ねを通じ、長く、継続して関わってきたからこそ、これらの活動を未来につなげる責務があると私たちは確信しています。
あらためて、私たちの活動に関心を寄せていただき、この文章を読んでいただいたことに心から御礼申し上げます。
ぜひ、私たちの活動に参加してください。たくさんのプログラムがあります。参加のかたちはご寄附とボランティアですが、その中身はさまざまです。
「子どもたちを真ん中に」が私たちの合言葉です。子どもたちを真ん中に皆さまと共に大きな輪をつくることができますよう、ご支援・ご協力を賜りますよう、宜しくお願い致します。
AEFAは、学校建設事業と国際交流事業の2つを推進しています。
建設事業では、住民の参加を条件にしています。そうすることで「私の村の学校」という意識を持つようになり、出来上がった学校を村人たちが大切に維持運営するようになります。
交流事業では、日本に友達がいることが現地の子供たちの励みになります。日本の子供たちは世界の現実を知ると共に、豊かさの中で失いがちな大切なこと−助け合い・思いやり・志・感謝・友情・家族の大切さなど−に気付くきっかけが生まれています。
AEFAの事業は、校舎を建設して終わり、ではありません。建設した学校のフォロー事業を展開するとともに、村の発展を推進する支援を行っています。私たちが目指すのは、学校を形成している生徒・先生・保護者・村人・行政などすべての関係者が参加する事業です。学校を中心に村がまとまる=「求心力」と、村を発展させようという意気込み=「推進力」を強化しています。
また、AEFAの海外支援は「一方通行」ではありません。支援の受益者は①現地の子供たち・村人・先生であると共に②日本の子供たち・保護者・先生、そして支援者です。現地と日本との交流を通して「双方向性」をもった海外支援を行うのが、AEFAの特徴です。
AEFAは支援者(ドナー)に、単なる寄付者ではなく支援事業のパートナーとしての参画意識を持つようお願いしています。個別に事業成果を具体的に報告し、ドナーの皆様は自らの支援の結果を確認し、感動してくださいます。そして時には嬉し涙を流してくださいます。
皆さんの笑顔と涙を拝見するとき、私の心には「魔法の香水」という言葉が浮かびます。私の故郷である福井県では1948年に大地震が発生しました。自宅が全壊し日々の生活もままならない状況で、母が他人を助けているのを見て、「うちもこんなに貧乏なのに、どうして他人を助けるの?」と問いかけた幼い私に答えてくれた母の言葉が「魔法の香水」でした。
「支援」とは、お金を提供するということだけではなく「善意」であり「思いやり」です。こうした善意や思いやりは、相手のために無私の心で振りかければ振りかけるほど、自分自身にも降りかかる、不思議な魔法の香水です。アジアと日本の子供たちのために、事業の共同推進者として支援してくださる皆さんにも、この魔法の香水がきっと降りかかるでしょう。アジアの、生きることに精一杯な、教育環境に恵まれない子供たちを支援することにより、皆さんが「心の清々しさ」「アジアの子供たちの生命力や健気で無垢な心」を受け取る受益者にもなります。
アジアの子供たちへの支援、日本の子供たちとの学び合い、夢の共有を通して、思いがけない経験や気付き、感動を皆さんと共有できればと思います。