今、若者たちは…就学支援のその後

プーク君写真

ラオスにおけるAEFA奨学金は、村の学校を卒業した山岳少数民族の子どもたちのその後の就学を支援するものです。奨学生たちは学校の教師になったり、技術を学んで大工になったり、NGOスタッフとして少数民族を支援する側になったり…。それぞれの道を力強く歩み始めた彼らからのメッセージと動画をお届けします。                   

 

モム君 ザネン村出身 教師

「故郷の教育環境を改善し、これからの世代の子どもたちにより良い未来を届けたい。」と教師となることを志願したモム君。第2期奨学生として教員養成校に進学し、小学校教員資格を取得しました。山奥の小さな分校や郡の基幹校で先生を務め、教育委員会での勤務等も経て、2023年9月には小学校の校長先生になりました。少数民族固有の言語も使いながらの授業や課外活動、夜には学校の寮生たちの悩みを聞くなど、子どもたちに寄り添う教育に情熱を注いでいます。

クユム君 トゥルンテン村出身 教師

第1期奨学生のクユム君は2013年より故郷のトウルンテン村で学校の教師をしています。村を出て県の中心部にある教員養成校に入学した当初は、人の多さに驚いたりホームシックで泣いてしまったり。そんな日々を乗り越えて勉学に励み、教師になるという夢を実現したクユム君は、学業から得た知識を村の子どもたちの教育に活かしています。

ホーン君 ララオ村出身 大工棟梁

AEFA奨学金により職業訓練校に進学したホーン君は、「みなさんに応援してもらっているのだから、自分も誰かのために役立ちたい」と、在学時から現地NGOのプロジェクトの工事作業や建設プロジェクトの手伝いをしていました。卒業後の今は技術力の高さで引っ張りだこ、大人気の棟梁さんです。

「AEFA奨学金がなければ僕の人生はこうではなかった。どうかこれからも、生活が困難な人たちを支援してくださいますように。」

エウ君 ポーバイ村出身 教師目指して勉強中

エウ君は教員養成校で化学教師を目指して勉強中です。  優秀な成績をおさめ教育実習でも高い評価を得ています。進学し勉学に励んだ結果、「私は自分で将来を選ぶことができるのです!」と語るエウ君。

高校の教師となる道や、教員養成校で後輩たちを導く教員となる道など、将来の夢を拡げています。

フォッ君 ララオ村出身 教師目指して勉強中

小学校の先生になりたくて、AEFA奨学金を受け教員養成校に進学したフォッ君。3カ月間の教育実習も終えました。

「大変なこともありましたが、あきらめずに取り組み、修了できることをとても誇りに思います。卒業後は、先生が不足している学校へ行って子どもたちを教えたいです。」

プーク君 ポーバイ村出身 NGO スタッフ


「奨学生の先輩として、故郷の後輩たちが勇気をもって一歩を踏み出しチャンスをつかめるように応援していきたい」と願うプーク君は、教員養成校修了後、AEFAの現地パートナーNGOであるACDのスタッフとなりました。現在は若者たちを応援する側としてAEFA奨学金プロジェクトを担当しています。子どもを中心に学校と地域が協働できる教育プロジェクトにも熱心に取り組んでいます。

ヴィサイさん

ヴィサイさん

ヴィサイさん

ヴィサイ君 ピティアン村出身 NGOスタッフ 

ヴィサイ君の家族の生活は困窮しており、彼の兄や姉は小・中学校へも行けないほどでした。幼い頃から魚とりなどで生活を支えてきたヴィサイ君は、魚とりの際の事故で左目を失明するという不運もありましたが、「そんな中でも勉強は一生懸命頑張りました。努力の甲斐あって教員養成校の入学試験に合格することができましたが、経済的余裕がなく進学は難しい状況でした。そこで、父に懇願して、村で活動していたACD(AEFAの現地パートナーNGO)への依頼状を書いてもらい、AEFA奨学生になることができたのです!」

奨学金をきっかけにボランティアとしてACDの活動を手伝うようになったヴィサイ君。「ACDの活動では村のお年寄りから子どもたちまでいろいろな人と協働します。ぼくの夢は学校の先生になることから、村全体に関わることのできるプロジェクトをやりたい…と変り始め、卒業後はACDのスタッフとして働くことになりました。

このような最高のチャンスを与えてくれたAEFA奨学金プロジェクトには、なんとお礼を言っていいかわからないです。ラオスのコミュニティ発展のために、小さな力ですが貢献していきたいと思います。特に環境に関わるプロジェクト(EES: Environmental Education at School)をやりたいです。この活動は、ラオス南部ではACDだけが行っているものです。まだまだ多くの学校でごみの問題があり環境への理解も不足しているので、ぜひ広げていきたいです。」