ベトナムの建設例 ゴックトゥ小学校ダックトン分校のあゆみ

中部コントゥム省ダクト郡の山間部にあるゴックトゥ地域には少数民族セダン族が暮らしています。住民は農業(とうもろこしやキャッサバ)を育てて生計をたてており、一人当たりの平均年収は約18000円。米の自給は7-8ヶ月分しかなく、厳しい生活を送る家庭がほとんどです。AEFAではゴックトゥ小学校ダックトン分校に、2008年に新校舎を、2012年に追加校舎を支援してきました。1-5年生までの全学年に対する全日授業をめざして成長してきたこの学校のあゆみをご紹介します。

2007年 小さな竹編みの学校からスタート! (1-2年生 38人) 

分校には竹や藁でできた粗末な教室がひとつ。1-2年生38人が午前と午後に分かれて勉強、トイレや水はありません。電気がないため子ども達は薄暗い中で勉強しています。3-4年生は2km先の違う分校、5年生は6km先の本校へ通学しています。教育への保護者の理解もまだ不足しており、繁忙期は農業を手伝うために欠席をする子どもも見られました。

2008年 新校舎完成!3年生も勉強できるようになりました! (1-3年生 75人)

縦100m×横50mの土地に3教室の校舎を建設。1.2.3年生が天候に左右されることなく安心して学べるようになりました。3年生37名が加わり、分校の人数も増加。明るい教室で集中して学べるようになりました。

2011年 勉強したい!児童数が100人を超え再び教室不足に! (1-4年生 102人)

「こんな学校なら通わせたい!」保護者たちも、子どもたちを学校へ通わせてくれるようになりました。児童数が増加し、教室が不足に。教育局と村人たちで急遽仮設校舎を建設し、子ども達の学ぶ場所をつくりました。でも雨の日や風が強い日は勉強するのにひと苦労です。

2012年 追加校舎完成!全学年が1日授業可能に! (1-5年生 103人)

2教室の追加校舎が完成し、全部で5教室に。全学年が通えるようになりました。全日制の授業が可能となり、勉強する時間が増えました!

2013年 明るい学校に育ちました!評判をよび、子ども達が増えています (1-5年生 116人)

雨期にぬかるみながら遠くの本校まで6kmの道のりを歩いていた5年生たち。今では村の分校で安心して学べるようになりました。天候に左右されず集中して勉強できるようになったので、成績も少しずつ良くなっています。

子ども達がこんなに変わってきました!








「将来は自分自身で生活ができる自立した子ども」を目指して指導しています。子ども達は学習意欲も高くなってきており、毎日一生懸命勉強しています。教育に対する保護者や村人の意識も変わり始めました。学校を良くしていこうとできる限りのサポートをしてくれています。学校が単に“建物”としての存在ではなく、“村の中心”となり“精神的な支え”となっています。



   ディン校長先生



順調に歩んできたかのように見えるゴックトゥ小学校ですが、すべてが順風満帆だったわけではありません。特に最初の頃は教育に対する親の理解も低く、親の仕事の手伝いをするため欠席をする子も見受けられました。そのため先生方が家庭を訪問し、学校に通わせるように説得してまわりました。子ども達が楽しそうに勉強するようになると、親にも少しずつ変化が見られるようになり、教室が足りなくなった時には仮設校舎を作る手伝いをしてくれるまでになりました。
学校や子どもの雰囲気が見違えるほど明るくなったゴックトゥ小学校。今後は授業の質をあげるための取り組みなど、中身の充実をはかっていきます。