ラオス・イルン小学校 ~ 学校プロジェクトを通して村おこし~

子供たちには、新しい未来を与えたい! 村で初めての学校ができる

サラワン県ラオガム郡、バナナのプランテーションに囲まれた人口247人の小さな村。少数民族スアイ族の人々の住むイルン村にはこれまで学校がなく、5km離れたヴァンプアイ小学校(地域の基幹校)しかありませんでした。しかし、雨期に未整備の道を通うのは困難で、殆どの子供が途中でドロップアウトしてしまいます。
外部から隔絶され自給自足で暮らしてきた村人たちですが、「今のままの暮らしを、子供たちにも引き継ぐのか?学校ができれば、子供たちは自分たちとは違う将来の可能性をひらくことができる!」と、学校プロジェクトに立ち上がったのでした。

村の団結力が高まる ~ 自分たちで、村を発展させていく

2006年、3.5教室+トイレ(2室) 初の小学校を建設するために、村人は何度も集会を開き、作業チームを結成。整地や資材準備、建設工事をグループごとに手伝いました。農繁期には学校建設を手伝っている家の畑仕事を皆で手伝うなど協力し合い、団結力も高まりました。労働奉仕分で浮いた資金で、村人はあずまや・竹棒・タイヤ飛び・滑り台などのプレイコートを手作り。開校式に訪れた支援者(石原氏)を驚かせました。2010年には簡易水道がひかれ、学校菜園やキノコ栽培などの活動もより活発に。

子供の成長と、村の未来 ~ 我々はパートナー

一方で、村を取り巻く環境も大きく変わりました。隣国ベトナム・ダナン市に抜ける舗装道路が整備され、もの・人の往来が激しくなりました。外から入ってくるものは、常によいもの・・とは限りません。子供が安い労働力として騙されるなどトラフィッキング(人身取引)の被害を防ぐため、より教育の重要性が増しています。
2011年2月、村人念願の「コミュニティラーニングセンター」が学校の隣に完成(石原氏支援)。村を発展させてゆくための様々な話し合い・活動の場として活用されています。「AEFAと我々は、パートナー」と語るオックさん。村を発展させていくのは、ほかの誰でもない自分たち・・と、村人集会から生まれた果樹苗や養魚など、新たなプロジェクトに意気込んでいます。
2006年に小学生だった子供も、今では中高生。地域の基幹校であるヴァンプアイ中学校(2012年度ダイリキ株式会社様ご支援)で、勉強を続けています。2013-2014新年度には、イルン小からヴァンプアイ中を修了した初の生徒が、教員養成短大への進学を希望しています。教育を受けることで自分に自信をもち、考える力を身につけ、次世代を担うリーダーシップを育成していきます。